普通のサラリーマンだった私がイタリアでMBA取得を目指すブログ

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2019年4月からイタリア人の妻とやんちゃな息子とミラノに移住し、9月から1年間MBAコースに通う予定の元・普通のサラリーマン(現在主夫)のブログです。

ジェノバからミラノへの帰り道で出会った紳士

みなさん、こんにちは。こぶです。
 
週末はいかがお過ごしでしたでしょうか?私は、妻と息子の3人でミラノからジェノバに小旅行にいってきました。今回はその帰り道で出会った素敵な紳士のお話しをしたいと思います。
 
ミラノ・ジェノバ間は150キロほど。約2時間の電車移動で、日本でいう特急列車のような長距離電車だったのですが、安い料金だったので、席の予約はありませんでした。
行きは始発駅(ミラノ中央駅)からの乗車だったので座れましたが、途中から満席で、通路に立たなければいけない人も結構いました。
 
帰り道、ジェノバ駅で乗車したときには既に満席で、通路どころか車両と車両の間の部分(新幹線のデッキ?トイレなどがある場所)にもたくさんの人が乗らないといけない状況でした(後の方に停まった駅では乗れない人もいました)。
そのデッキの部分は、エアコンが効いてないんですね。7月の暑い中、エアコンなしの部屋に人がたくさん入ると、それはもう暑い。
なので、私と息子はデッキで若干確保したスペースに残り、妻が少し離れて車両のドアを開けて、エアコンの空気をデッキにも入るようにしていました。
すると、車両の一番デッキに近いところに座っていた50歳くらいの犬を連れた女性(女性A)と妻が何やら言い合っています。聞くと、女性Aが「暑いから、閉めろ」と。
あまりにしつこいので、妻が息子を抱いて中に入ろうとしていると、女性Aの隣に座っていた男性が妻と息子に席を譲ってくれました。彼は40代半ばくらいの長身、メガネ、ヒゲ、左腕にガッツリタトゥー、白シャツを直接羽織り、第2ボタンまで開けて白くなった胸毛がチラリと見えるイカした紳士(紳士B)でした。これから2時間も満員電車なのに、ありがたい。
更に紳士Bは、デッキに他に子連れがいるのを見ると、車両に入るように招き入れてくれました。おかげで、4歳くらいの男の子とその母親(母親C)も中に入れました。なんと立派な紳士。そして、私も中に入り、スーツケースを使ってドアを開けていました。
 
しばらくすると、母親Cが私に言いました。「ドアを閉めてほしい」と。いやいや、あなた、外の暑さ知ってますやん、と驚きを隠せずにいると、女性Aが便乗して「閉めろ」と。
イタリア語をわからないふりをしていたんですが、女性Aはずっと言ってくるし、隣に座っている妻と息子に何かされても嫌だなぁと思いました。最終的には妻にも促されて、荷物を完全に中に入れてドアを閉めました。外の人には申し訳なかった。
 
ちょっとしてから、外にいた中国人の若者(若者D)が外からドアを開けました。すかさず文句を言う女性A。若者Dは少し粘りましたが、結局ドアを閉めました。何もできず申し訳なかった。
 
中で、黒人の兄ちゃんが母親Cとその息子に席を譲るという一件が起こり、そしてまた、ドアが開きました。
今度は複数のデッキの人達がドアを開けて欲しいと要望しています。ちょこっとだけドアを開けて、女性Aに開けることを納得してもらえるように説得している感じでした。私はドアの近くにいるのに無力で、とりあえずドアが閉まらないように足を挟んでおくくらいしかできませんでした。女性Aは結構しつこく文句を言って拒否していました。
すると紳士Bが、女性Aに「開けないと外の人達が大変過ぎる」的なことを言って、結局ドアをガッツリ開けることになりました。
 
紳士Bは大人の対応で、決して感情的にはならず、最終的にその場の色々な立場の人にとって最善の結論が出ました。一方で私はこの間のやりとりで色んな考えや感情を抱きました。恥ずかしながらめちゃくちゃ腹を立てていました。
 
紳士の隣に立ち、少し冷静になりながら、考えてみました。
自分にも紳士Bのような振る舞いができたか?あの場面で席を立てたか?あの場面で他に子どもがいないかを気にできたか?あの場面でデッキの人達の気持ちを代弁できたか?きっとノーです。紳士、本当に人間ができているなぁと感じました。
 
ミラノ中央駅に到着し、妻に聞きましたが、紳士にも1歳半の子どもがいるとのこと。立派なお父さんだなぁと思いながら、目の前にはスーツケースを押すのを手伝ってくれる息子。私もお父さんです。自慢のお父さんになりたいという気持ちを強くしました。
今度私も同じような場面に遭遇したら、席を譲ろうと思います。まだまだ未熟な父親ですが、できることから始めたいと思います。
 
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。